表題番号:2021C-097 日付:2022/04/19
研究課題近代的公共性誕生のトポスとしての都市騒音をめぐる言説の表象分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 原 克
研究成果概要
 騒音の歴史を通して日本の近代をあぶりだす。本課題研究の狙いはこれであった。
 騒音というのぞき穴を通して、一九世紀末から二〇世紀前半にかけて、東京などの近代的都市空間を舞台に、都市空間と近代権力、国家と社会と身体、公共性と私人性(プライバシー)といった問題系列が、どのように一般大衆のあいだに具体的なすがたで現象したのかを探った。そこから人びとはなにをどのように感受し認識してゆき、最終的にはあたらしい価値の体系に転移してゆくことになったのか。こうした問題系列がとりわけポピュラー系科学言説を介して、社会の文化資本と化してゆく経緯を具体的テーマに即して論じた。