表題番号:2021C-080 日付:2022/04/03
研究課題『源氏物語』周辺文化の形成に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 新美 哲彦
研究成果概要

本年は豊臣秀吉とその周辺の女性たちが『源氏物語』や古典とどのように関わっているかについて調査を行った。まず兼見卿記天正151219日条に、秀吉が諸卿へ『源氏物語』を依頼している記事が載る。この記事について調査・考察した。豊臣秀吉と関わる『源氏物語』のもう1点が『源氏物語のおこり』である。これはちやあという女性と、慶福院花屋玉栄と、秀吉が関わっている作品である。慶福院花屋玉栄とちやあは、どちらも近衛家の女性であり、伯母と姪の関係であることになる。そこには、近衛家の文化の継承者、貴族文化の庇護者としての自分のアピールという意味が含まれていよう。