表題番号:2021C-070 日付:2022/04/08
研究課題なぜイギリス帝国は地中海に暮らすマルタ市民を東アフリカに強制送還したのか?
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 准教授 佐藤 尚平
研究成果概要
 本課題は、20世紀のイギリス帝国についての研究であり、地中海の植民地マルタに対するイギリスの政策を検討するための基礎的な調査を行うことを目的とした。第二次世界大戦中、マルタはイタリアから激しい爆撃を受けた。守勢にまわったイギリスは、マルタ市民のうち親イタリアと見られる人々を強制収容し、東アフリカの植民地ウガンダに強制送還するという異例の措置に出た。親ファシストの汚名を着せられた市民の強制送還は、今日でもマルタを分断する社会の傷となっている。そもそもイギリスは、強制送還にあたってどのようにマルタ市民を選別したのか。本課題では、新出史料も用いて本格的な検討を開始するための基礎的な調査を行った。