表題番号:2021C-057 日付:2022/02/10
研究課題前近代カンボジア=日本間交易・交流史の基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 田畑 幸嗣
研究成果概要
 本研究の目的は、前近代(15〜18世紀)日本=カンボジア間の交易・交流史の復元にむけた、日本、カンボジア両国出土陶磁器の産地・年代の解明にある。近年、これまで13世紀以降は消滅し、輸出はされなかったと考えられていたカンボジアのクメール陶器が、鹿児島県で出土していることや、中近世日本と密接な関係のあった琉球王国の首里城からも出土していることが判明しつつある。また、鎖国直前の日本が最大の取引相手だったとされるカンボジアでも、日本産陶磁器が内陸のアンコール地域で多量に確認され、本格的な研究が可能となってきた。本年度は、本格的な日本=カンボジア間の交易・交流史の復元研究のための基盤形成として、両国での出土資料調査を実施していたが、コロナ禍によって予定の変更を余儀なくされた。そこで、研究会を組織し、これまでの予備的な調査・研究成果を考古・文献・美術・建築の方面から再検討するとともいに、これまでに収集した史資料を整備し、将来の生産=流通=消費システムのモデル化に向けた基盤を形成するとともに、これまでの調査成果と考察を、報告書・論文の形で刊行し、また学会でも発表した。