表題番号:2020R-047 日付:2021/04/08
研究課題近世都市江戸の葬具に関する考古学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 谷川 章雄
(連携研究者) 人間総合研究センター 招聘研究員 都築由理子
研究成果概要
本研究は、近世都市江戸の遺跡から出土した、葬送儀礼において用いられた葬具に関する基礎的研究である。とくに、武家屋敷・町屋などから出土した枕飾りや供養に用いられた香炉、仏花瓶、かわらけは仏壇の普及の問題と関わることが想定された。東京都港区天徳寺跡越前福井藩主松平家墓所から出土した香炉・燭台・仏花瓶の三具足は枕飾りに用いられた可能性があり、胞衣皿、緡銭は被葬者が誕生したときのものを墓に移したものであろう。位牌に関しては、狛江市泉龍寺の近世・近代の位牌の型式、高さ、戒名、装飾の材質・技法には強い相関があり階層性を示す指標となることが明らかにされた。また、現在製作されている位牌を入手し、漆工技法の観察を行なった。