表題番号:2020R-017 日付:2024/04/23
研究課題上下水道事業の民営化、広域化、IT化の影響
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 高瀬 浩一
研究成果概要
SDGs(Sustainable Development Goals)は現在、人類共通の国際的な目標として、中央・地方の政府自治体、中小から大企業、小・中・小学校などの教育機関、政府や大学の研究機関など、ありとあらゆる機関や団体において、中心的な課題となっている。本研究では、SDGs の主要な目標である、日本および海外の水循環(水道、下水道、工業用水道、地下水など)をめぐる問題について、経済・経営など社会科学的見地から研究を行う。具体的には、国内上下水道問題の調査・研究および海外の水事情に関する経済・ビジネス・政治制度の研究等について、必要に応じて共同研究・受託研究により当特定課題を含む外部資金を獲得して、研究を進める。上下水道事業などの水分野を経済学、経営学、行政学などの社会科学的な見地から研究する日本ではじめての大学付置の研究所として、2020年度に引き続き、2021 年度は新型コロナ感染症による行動変容が水道料金に与えた影響、上下水道事業における官民連携手法ほかの研究を行った。新型コロナ感染症による行動変容の調査においては、需要変化を踏まえた水道料金改定が必要となることを、実際のデータに基づいて明らかにした。また、水道事業における官民連携手法の研究では、日本では数例しかない公民共同企業体による給水サービス手法に着目し、それらの経営状況が良好であるとともに、水道法改正後の日本において公民共同企業体による給水サービスが有効な経営手法の選択肢の一つとなり得るとの結果を得た。さらに、日本の開発援助に携わる日本企業のパフォーマンスについて、各企業の財務諸表を基に全要素生産性、ROE、ROA、Tobin’s Q などの生産性指標を編集して、パネル・データによる計量分析を行った。特に、日本の大都市の上下水道事業体が受託する水に関する開発援助案件に協賛する企業について分析を進めた。