表題番号:2020Q-026 日付:2021/04/09
研究課題腎臓を模倣した膜晶析装置を用いた尿路結石の発生機構および抑制機構の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 小堀 深
研究成果概要
 本研究では尿路結石形成プロセスを膜晶析装置で再現し,添加剤としてのクエン酸とマグネシウムの影響を観察した。はじめにSEMによる結晶観察では,クエン酸を添加したときに結晶が大きくなったことから,クエン酸が核発生を抑制したと考えた。マグネシウムを添加した場合では結晶の大きさが非常に小さく,結晶個数も減少した。また,母液のシュウ酸イオン量の変化より,クエン酸はキレート効果によって溶液中のカルシウムを錯体として保持することが確認された。一方,マグネシウムを添加した際,シュウ酸カルシウムよりも溶解度が高いシュウ酸マグネシウムが形成されていることがわかった。クエン酸とマグネシウムを両方添加した系では,お互いが競合してしまい,抑制効果が薄れることがわかった。