表題番号:2020Q-012 日付:2022/02/02
研究課題佐藤一斎と大塩中斎の陽明学理解について―文献学的研究をもとに―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 永冨 青地
研究成果概要

本研究の研究代表者である永冨は、佐藤一斎と大塩中斎の陽明学理解について、それぞれの蔵書・自筆草稿をもとに思想分析を行った。特に、佐藤一斎が、伝習録の現存する最初期の版本である「南本」南大吉本の研究上の価値について、中国本土を含めても、世界で最も早くそれに着目し、それを顕彰していたことを、東京都立中央図書館に所蔵されている、佐藤一斎旧蔵の伝習録に基づいて実証的に明らかにした。また、同図書館に所蔵されている一斎自筆の稿本より、佐藤一斎が、「挿注」という、漢文原文にさらに語句を加えることにより、漢文の弱点である論理的結合の欠如を補おうとした事実についても明らかにした。