表題番号:2020Q-010 日付:2021/04/05
研究課題深層学習フレームワークでの利用を目指した完全準同型暗号による行列計算に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 木村 啓二
研究成果概要
2020年度は、研究のベースとなるソフトウェアとして、Microsoft ResearchのSEAを利用し、これによる行列積演算を構成する各種処理の時間を測定し、そのオーバーヘッドと並列性の調査を行った。まず、行列積計算をOpenMPで並列化し、8コア搭載のIntel Xeon W2145(3.70GHz)で実行した結果、1コア実行時に対して約6倍の性能向上を得ることが出来た。さらに、準同型暗号による行列積演算を構成する処理をSIMD演算(AVX512)により高速化することを試みた。その結果、ライブラリ内部で使用する基本データ型を64bitから32bitに縮小しかつSIMD演算幅を増やすことで、行列演算の重要処理をSIMDオリジナルの実装に対して3.48倍高速化可能となった。