表題番号:2020Q-007 日付:2021/05/09
研究課題日仏の「自然派」ワイン言説とその社会的表象にみる「再自然化」
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 福田 育弘
研究成果概要

自然派ワインのフランスにおける基礎文献を取集し、その読解をすすめた。これによって、1)1980年代に有機醸造と有機栽培の先駆的事例があったこと、2)その後、有機農産物認定の制度確立により有機栽培ぶどうによるワインが制度的認定を受けたこと3)有機認定制度が有機栽培を重視していたために、有機醸造によるいわゆる「自然派」ワインが2000年代以降、徐々に広がったことがわかった。また、日本においては、2000年代後半になって、有機ワインと「自然派」ワインとほぼ同時に消費市場に広まり、日本の新しいワイン生産にも一定の影響をあたえている。「自然派」ワインのひろがりは、自然を積極的に取り戻そうとする「再自然化」の典型例である。