表題番号:2020Q-003 日付:2021/04/09
研究課題イタリアにおける独立労働者の規制のあり方
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 大木 正俊
研究成果概要
 2017年法律81号(独立労働者保護法)3条に定められた経済的従属の濫用に関わる規制を特に扱った。同条は、1998年制定の下請け関係に関わる経済的従属規制を独立労働者にも拡大したものだが、企業間取引おける弱者の保護と雇用類似就業者の保護を同一の基盤で捉えるべきかについては、疑問も残るようである。というのも、イタリア法では前者の「従属」と後者の「従属」は異なる概念と理解されているからである。それゆえ、経済法的規制の雇用類似就業者への拡大には慎重な検討を要するものと考えられる。今後は、雇用類似就業者にも従属労働者と同様の法律上の保護を付与したように解釈できる2015年委任立法81号2条をめぐる議論の検討をする。