表題番号:2020Q-001 日付:2021/03/23
研究課題多部門モデルを利用した人口減少下の年金システムの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 金子 昭彦
研究成果概要
本研究の目的は、人口減少下の経済における年金の持続性について、多部門モデルを利用し分析を行うことであった。まず、得られた結論として賃金の価格弾力性が年金の維持可能性に対して重要な影響を持つことが分かった。定量的な分析の結果、その効果はかなり小さく、人口成長率の低下は年金の維持可能性を低下させる可能性が高いという結論が得られた。
さらに、1部門モデルの下で2カ国モデルへの拡張も試み、年金制度の変更が利子率の変化を通じて両国の厚生に与える影響を導いた。その結果、資本輸出国においては年金制度の拡充が厚生を高める可能性があるが、2国の厚生が同時に高まることは無いということが明らかになった。