表題番号:2020N-007 日付:2021/04/01
研究課題非平面π共役系を有する高次アザヘリセン類の短工程合成とキロプティカル特性の評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 柴田 高範
(連携研究者) 阿南工業高等専門学校 准教授 大谷 卓
研究成果概要
ヘリセンとは非平面縮合多環式芳香族化合物の総称であり、らせん不斉を有することから、そのキロプティカル特性を活かした機能性有機材料としての利用が期待されている。しかし、炭素のみから構成されるカルボヘリセンは、一般に合成に多工程を要し、蛍光量子収率が低いことが課題であった。本研究では、ヘリセン骨格にヘテロ原子として窒素を複数導入したポリアザヘリセンに着目した。その結果、市販試薬から、超原子価ヨウ素を用いる酸化的カップリングを鍵反応として、僅か23工程でポリアザ[5]-[9]ヘリセンの合成を達成した。さらにそれらの光基礎物性を評価したところ、ヘリセン類として比較的高い蛍光量子収率と円偏光発光特性を示した。