表題番号:2020C-777 日付:2021/04/21
研究課題脳ドパミン神経を制御する腸内細菌の仕組解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 柴田 重信
研究成果概要

マウスに普通食と高脂肪食を選択的に与えると、マウスは好んで高脂肪食を食べるようになる。いわゆる依存的な食欲の亢進である。高脂肪食に対する依存状態が観察されたマウスの線条体や側坐核のドパミン神経を調べると、ドパミン量が有意に低下することが分かった。一方、申請者は高脂肪食を与えたマウスの腸内細菌は多様性の低下など、dysbiosis (腸内菌共生バランス失調)が起こること事を見出した。次に、このように腸内細菌の不調が、脳のドパミン量の低下に関連するのではないかと考え、dysbiosisを改善させるべく、水溶性食物繊維を同時に与えた。イヌリンを高脂肪食に添加することで、ドパミンの低下が改善された。