表題番号:2020C-764 日付:2021/04/08
研究課題中国の企業における工会は労働者の賃金率に影響を与えているか
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 産業経営研究所 助手 金 キン
研究成果概要

本研究は、北京大学中国社会科学調査センターが実施した『中国家庭追跡調査(China Family Panel Studies)』の個票データ(2014年、2016年、2018)を使用し、企業の基層工会(労働組合を指し、以下は「工会」と記す)の役割と機能を明らかにすることを試みた。とくに、非観測異質性、セレクション・バイアス、および内生性問題を考慮し、パネルデータによる推定モデル、操作変数法、トリートメント・イファクト・モデル、Blinder-Oaxaca分解モデルの分析手法を用いながら、工会会員資格の有無により、労働者の時間単位賃金率、「五険一金」(養老保険、医療保険、労災保険、雇用保険、生育保険、住宅積立金)の加入における差異を考察した。また、工会会員資格の有無における労働条件の差異を分析するにあたって、農村・都市戸籍、「体制内・体制外」(国有企業・非国有企業)の二元分割の違いに焦点を当て、分析を行った。