表題番号:2020C-714 日付:2021/04/06
研究課題ポスト・トランス・サイエンス時代における科学技術リスクと社会的合意形成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科 教授 松岡 俊二
研究成果概要

本研究は、 科学技術リスクと社会をめぐる21世紀の新たな状況を踏まえ、新たな観点から科学者・専門家と市民・住民との関係を考えようとしたものである。

 21世紀の社会における専門家や市民は多様であり、専門家(専門知)と市民(地域知)という二項対立的な問題設定そのものを問い直し、専門知と地域知を媒介する境界知と境界知作業者の役割に注目している。さらに、過去の災害や事故などにおけるリスク・マネジメントの成功や失敗という歴史の教訓の継承について、記録の集合的記憶への転化における境界知作業者の重要性を、ノンフィクション作家・柳田邦男が提示した「2.5人称の視点」も含めて考察した。