表題番号:2020C-685 日付:2021/03/29
研究課題日本における海鳥の海洋プラスチック汚染状況の把握:巣材への取り込み量調査
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 風間 健太郎
研究成果概要

本研究では、北海道北部で繁殖する海鳥3種(ウミネコ、オオセグロカモメ、ウミウ)の巣材へのプラスチック取り込み状況を調べた。202068月に北海道利尻島と枝幸町において、3種の海鳥繁殖地で合計150巣を対象に踏査により巣材中のプラスチックの種類、個数、重量を測定した。

 調査の結果、利尻、礼文、稚内で繁殖するオオセグロカモメの約80%、利尻と枝幸で繁殖するウミネコの約70%、および利尻で繁殖するウミウの約80%の巣にプラスチックが持ち込まれていた。プラスチックの多くは漁具であった。本研究により、近年欧州を中心に懸念が高まっている海鳥へのプラスチック汚染が、日本においても深刻であることが明らかとなった。これらのプラスチック汚染が、絡まりなど海鳥へいかなる死亡リスクをもたらしているかを今後明らかにする。