表題番号:2020C-684 日付:2021/11/14
研究課題COVID-19感染拡大によるスペイン・カタルーニャの伝統文化「人間の塔」に関する災害人類学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 竹中 宏子
研究成果概要

本研究は、感染症が流行する中、カタルーニャの伝統文化と認められている「人間の塔Castells」のチームが、どのように集団としての危機的状況に対応し、集団としての紐帯を維持しているのかについて考察することを目的としている。「人間の塔」とは、人間が密接・密集して重なり合い、10mにも及ぶ高さの塔をつくるという、人による造形文化である。当初予定していた文化人類学的なフィールドワークが実施不可能な中、本研究では、既にラポールが構築されているチーム「サンツCastellers de Sants」を対象に、独自のアプリやインスタグラムまたは遠隔テレビ会議システムを介したつながりの維持に傾ける努力を捉えた。それは、一見、塔を建てるという目的とは異なり二次的なものとも考え得るが、実はチームにとって最重要事項であり、こうした緊急時あるいは災害時に必要な要素である点を考察した。