表題番号:2020C-683 日付:2021/01/19
研究課題多文化共生の批判的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 樋口 直人
研究成果概要

 多文化共生を批判するのではなく活用するならば、何がいかにして可能になるのか。本研究の目的は、こうした関心にもとづき、多文化共生をめぐる(1)概念的検討、(2)政策の批判的レビュー、(3)過去の政策からあり得た可能性の検討を行うことにある。(1)タギエフの枠組みを用いて、多文化共生I(反差別)と多文化共生II(交流)、排外主義I(二者関係)と排外主義II(三者関係)という理念型を抽出。(2)2014年以降に出された主要都市・都道府県の多文化共生関連大綱をもとに、IIIの使用度合いを検証。(3)排外主義IIに対して多文化共生IIが有効性を発揮しえることが明らかになった。多文化共生IIに対する評価は従来低かったが、使いようによっては国家間の相克が生み出す排外主義に対抗しうる。