表題番号:2020C-681 日付:2021/02/09
研究課題伊豆半島における過去の南海トラフ巨大地震・津波の発生履歴の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 山田 和芳
研究成果概要

本研究は、伊豆半島西部における過去1,000年間程度の津波履歴を解明することを目的とした。明神池湖底から採取したコアに対して、物性・粒度・CNS含有量の分析とともに、放射性炭素年代測定を実施した。その結果、堆積物の組成が大きく異なる18-19世紀の間に堆積したイベント地層があった。この地層は硫黄含有量や含砂率の高い層準という特徴が認められた。この地層の形成原因を考察するため、18-19世紀に伊豆を襲った宝永・安政東海地震津波をシミュレーションで再現したところ、安政東海地震の際は津波が西部の浜提を迂回して北側の井田の田園から明神池に流入したことから、この層は安政東海地震によるイベント堆積物である可能性がある。