表題番号:2020C-675
日付:2021/03/30
研究課題知的財産権と新産業勃興の「法と経済学」研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 教授 | 土門 晃二 |
- 研究成果概要
- 新型コロナの影響を受ける前の2018年に実施した訪日外国人旅行者に関するアンケート調査に基づき、日本文化コンテンツのインバウンド需要に対する効果を理論的および実証的に分析した。理論分析では、オリジナルの二次的な市場と海賊行為をモデル化し、国内のインバンド観光業にとって海賊行為の有無およびその取り締まりのレベルに関わらず、常に日本文化コンテンツは需要を増加させる効果があることを明らかにした。一方で、コンテンツの知的財産権利保有者は、二次市場の規模によって、海賊行為によって利益になるものとならないものに二分されることを明らかにした。二次市場の規模が相対的に大きな権利保有者は有利であり、小さな権利保有者にとっては不利になる。また、ベトナムで実施した学生へのオンライン・アンケート調査によって、日本文化コンテンツの訪日外国人旅行者への影響を考察した。日本文化コンテンツの中でも、海賊版も多いアニメ・マンガコンテンツの影響が大きいことが統計的に明らかになった。