表題番号:2020C-650 日付:2021/04/01
研究課題数理モデルによるアイトラッキング実験データのシミュレーション
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 国際理工学センター(理工学術院) 准教授 中村 智栄
(連携研究者) UCLA Assosiate Professor Jesse Harris
(連携研究者) UCLA Professor Sun-Ah Jun
(連携研究者) MIT Professor Suzanne Flynn
(連携研究者) 東京大学 教授 広瀬友紀
(連携研究者) 成城大学 准教授 新井学
研究成果概要

本研究では, 言語使用の経験により蓄積している確率的情報(語の使用頻度や予測可能性)が言語の統語構造理解にどう関わっているのかに焦点を当て, 言語情報の統計的予測能力と文理解の関連性を明らかにするためのアイトラッキング 実験を行った. 近年の言語研究では, 成人の言語表象がこれまで考えられてきたほど固定的なものではなく, 状況によって柔軟に変化するものであることが指摘されている. 第二言語学習者を対象にしたアイトラッキング実験の結果から, 第二言語学習者の文理解プロセスの研究は, 学習者の言語知識が未完成な段階で, 語用経験がどの様に第二言語の統計的情報を更新させ, それが言語処理にどう反映されるかを示した. その中で, 日本語のような主要部後置型言語と英語を代表とする主要部前置型言語の文処理を比較し, 言語情報が文構造の予測に用いられる普遍性を議論した. 母語理解と第二言語理解の文理解プロセスからは, 知識体系が未習得・不完全な言語習得過程で, 言語情報が文処理にどう影響するかを明らかにした

これらは, 国際会議での発表と国際ジャーナルへの掲載という研究成果につながった.