表題番号:2020C-624 日付:2021/04/09
研究課題『舜水朱氏談綺』に見る日中儒教建築の比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 助手 万 長城
研究成果概要
 本研究では「学宮図説」における木割術に注目し、日中の建築遺構と他の建築技術書との比較により史料の記述内容を明らかにする上で、その歴史的意義を考察し、改めて史料価値を提示することを目的とする。
 建築技術の発達や普及においては建築技術書は直接的技術的重要な要素である。一方、社会背景としての文化の受容は基本的思想的な要素である。技術に着目する前に、日中両国において儒教思想の比較を通じ、特に江戸時代の日本における儒教思想の特質を明らかにすることに重点を置き、研究を進めた。
 儒教思想は幕府によって封建支配の思想として採用された。ただし、孔子個人に対しては形式的な祭殿に止まり、世俗化の方向に進まなかったことが、日中儒教建築の相違をもたらした要因として考えられる。