表題番号:2020C-593 日付:2021/04/01
研究課題財務情報の相互運用性に関する考察
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 助手 金 奕群
研究成果概要

人間は利用可能な情報を処理したうえで、意思決定を行い、その結果として特定の行動を起こす。これは財務情報であっても例外ではない。情報技術の発展にともない、異なる組織が作成した情報を円滑に処理することの重要性が、ますます認識されるようになってきている。そのような中、情報通信に関連する研究分野において「相互運用性(Interoperability)」という概念が提起され、相互運用性に依拠して、情報を共有する能力および共有された情報を理解する能力が評価されている。本研究は、これまで会計または財務報告の分野で議論されなかった相互運用性が財務情報に対してどのような意義を持つかを考察する。その結果、相互運用性において問題となる情報共有の障壁が財務情報の質的特性である理解可能性と深く関係し、Sorter (1969) により提起された事象アプローチの考え方が会計において相互運用性が重要性を有していることの根拠を与えていることがわかった。