表題番号:2020C-587 日付:2021/03/07
研究課題「封印された星」画廊からみる50年代フランスのシュルレアリスムと抽象芸術の接近
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 助教 木水 千里
研究成果概要
シュルレアリスムとシャルル・エスティエンヌが提唱した抽象芸術運動、タシスムの接近について考察した。エスティエンヌの『抽象芸術はアカデミズムなのか』や『コンバ』誌等に発表した記事を分析し、シュルレアリスムはカンディンスキーと結びつけられ、内面性や精神性が強調されていたことを明らかにした。またエスティエンヌから紹介され、封印された星画廊でブルトンが企画したタシスムの画家の展覧会カタログを調査し、自然と人間との関係の視点から両者に共通する抽象芸術観を考察した。さらに両者がガリアのメダルの展覧会にかかわっていた事実からローマ美術に比べ素朴とみなされていたガリア美術からも彼ら独特の抽象芸術観を検証した。