表題番号:2020C-579 日付:2021/04/07
研究課題「霞」の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 講師 野村 亞住
研究成果概要
 春の伝統的季題である「霞」について、申請者はこれまで、芭蕉の「霞」が連句に集中する点、そして「霞」の一部の本意を用いて詠まれている点に注目してきた。
 本研究ではこうした扱いを調査すべく、連歌での「霞」、貞徳や季吟門連句での霞の実態調査を行った。
 その結果、貞徳により記号化された「霞」が、季吟によって重層的に表現しようと試みられ、挙句や春の続く中で「霞」を詠んでいくという、芭蕉同様の傾向を見いだせた。
 本研究で、「霞」という季語を通して、季吟門連句の特徴が芭蕉連句に継承されていたこと、その中で「霞」に新たな機能を与える芭蕉の試みの一端が明らかになった。なお、申請者は本研究結果をまとめる用意がある。