表題番号:2020C-567 日付:2021/04/12
研究課題ガストン・リシャールのデュルケーム社会学批判に関する考察
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 准教授 池田 祥英
研究成果概要

本研究では、デュルケーム学派の一員でありながら後に離反してその厳しい批判者となったガストン・リシャールがいかなる点でデュルケームの主張に反対することになったのかを考察した。リシャールは1905年の「道徳的連帯の法則について」と題する論文において、デュルケームの名前は挙げないものの、個人の理性の働きを排除した社会性を道徳性と同一視しているとして批判し、それが両者の決別のきっかけとなったとされているが、こうした視点はリシャールがデュルケーム学派に加わる以前の『社会分業論』の書評(1894年)や、『社会学年報』に発表された原著論文「社会的危機と犯罪の諸条件」(1900年)においても一貫して見られることを明らかにした。