表題番号:2020C-557 日付:2021/04/08
研究課題『うつほ物語』における「物語」のありように関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 助手 小泉 咲
研究成果概要
 本研究では、『うつほ物語』において「物語」なるものがいかに受けとめられているのかの分析を行った。特に「蔵開中」巻で、仲忠が発見した俊蔭一族の書物の中でも、俊蔭母の和歌集が「物語のやう」であると評される点に着目した。この和歌集が帝を中心とした講書の場で仲忠によってどのように音読され、講書の参加者と噂を聞きつけ集まった聴衆たちにいかに聞き取られているのか(あるいは聞き取られていないのか)を検討した。論文化し、2021年度中に投稿予定である。またあわせて「国譲」三巻全体の調査を行い、近い時代の長編物語である『源氏物語』の「物語」という語への用語意識との比較を行った。