表題番号:2020C-553 日付:2021/03/17
研究課題災害情報と「予感する」人びとの実践に関する研究ー高知市御畳瀬における南海トラフ地震への取り組みから
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 講師 酒井 貴広
研究成果概要

 本研究課題は、高知市の御畳瀬地区周辺において、将来の南海トラフ地震に対し、地域住民がどのような意識を抱いているかを民俗学・文化人類学を主軸に考察するものである。調査の結果、以下の知見が見出された。

 南海トラフ地震に備える人々は、将来の南海地震がもたらす被害を、地震を含む様々な自然災害に関する情報から想像する傾向がある。これは高度にメディアが発達した現代社会において引き起こされた事態だと考えられる。加えて、地域におけるグループ単位で南海トラフ地震へ備える傾向もうかがえる。

 南海トラフ地震へ備えない人々は、南海トラフ地震が発生した場合に命を落とす可能性があることも含め半ば仕方ないとしている。また、耐震工事や防災訓練などの備えにもあまり着手していない。