表題番号:2020C-547 日付:2021/03/24
研究課題文書提出義務に関する民訴220条3号と4号の相互関係についての判例準則
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 勅使川原 和彦
研究成果概要
同一の刑事関係文書が,民訴法220条3号後段にいわゆる「法律関係文書」に該当すると判断される場合には,文書提出命令に対する所持者による提出拒否について裁判所による「裁量権の逸脱・濫用」該当性審査がなされるのに対し,「法律関係文書」に該当しない場合には,同条4号ホの除外文書(刑事関係書類)として,同4号の他の除外事由とも異なり,裁判所の審査が一切できずに所持者の裁量に委ねられるという差異がある,とされる(最決令和2年3月24日判タ1480号144頁参照)。刑事関係書類が刑訴法47条等により公開を制限される趣旨は,民訴法220条3号後段文書でも同条4号ホ文書でも同じように斟酌されるはずなのに,このような別の取扱が正当化される理由の如何を検討した。