表題番号:2020C-521 日付:2021/04/08
研究課題古代エジプト文明がルネッサンス期以降のヨーロッパに与えた影響について
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 安岡 義文
研究成果概要
  本研究では、古代エジプト文明が後世に与えた影響を美術史の中で捉える大規模な研究を本格的に展開していくための準備段階として、ルネサンス期のイタリアにおける「古代復興」の実態について文献調査を行った。その結果、近代以降、強調されてきた「ヘレニズムの復興」という従来の視点を批判的に見て、これに加えエジプトを始めとするオリエントへの関心を検討する必要を指摘した。中世ヨーロッパ人のオリエントへの関心の所在が、キリスト教の聖書研究のみにあるのか、あるいは地中海における古代という位置づけの中で、ローマとギリシアに対する関心の同一線上にあるのかについては今後の研究で明らかにしていきたい。