表題番号:2020C-483 日付:2021/03/16
研究課題20世紀以降のフランス詩と音楽――現代音楽における歌曲を中心に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 大原 宣久
研究成果概要

本研究は、現代(20世紀半ば以降)においてフランス詩と音楽の関係性にどのような可能性が残されたのかを探るものである。とくにルネ・シャールの詩から着想を得ながら自由な解釈で作曲をおこなったピエール・ブーレーズと、さらにそれとは対照的なオリヴィエ・メシアンの手法に注目した。

自作の詩に曲をつけたメシアンは独自の作曲技法を駆使し、その音楽で、ときに言葉のひとつひとつ、音の一音一音に寄り添い、詩の世界(身近な主題から神への祈りといった宗教的な主題まで)をあらわしている。19世紀的な「調和」の印象の強いフランス歌曲とは一線を画すメシアンの手法は、現代における歌曲の可能性を大きく広げたといえるだろう。