表題番号:2020C-454 日付:2021/03/31
研究課題受動表現における初級レベル学習者の事態把握
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 日本語教育研究センター 講師 鄭 在喜
研究成果概要


本研究は、初級レベルの日本語学習者を対象に日本語の受動表現の習得を事態把握に基づいて考察したものである。調査は「先生に怒られる(叱られる)」「隣の人に足を踏まれる」「スリに財布をすられる(盗まれる)」の3つの4コマ漫画を用い、そのストーリーを短文で作成してもらった。 その結果、他の状況に比べ、「怒られる(叱られる)」の状況では学習者全員が受動表現を適切に産出しており、受動表現はその産出において「共感しやすい状況」というのが関連しているのが窺われた。これは、「怒られる(叱られる)」という状況はその被害性が著しいことから母語に関係なく、当該状況への臨場がしやすかったからであると考える。