表題番号:2020C-420 日付:2021/04/06
研究課題アジア系文化・文学研究におけるオーラルヒステリー: 歴史の伝播と記憶の継承
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 麻生 享志
研究成果概要
本研究においては、ベトナム系アメリカ人作家 Lan Cao と Harlan Margaret Van Cao の母娘による自伝 Family in Six Tones (2020) を典型的なオーラルヒストリーの書とみなし研究を進めた。Family in Six Tones ではベトナム系難民1.5世代に属する Lanと Harlan が交互に語ることで、親子二世代にわたるベトナム系難民のアメリカでの新生活における内面の葛藤が事実とともに描かれる。刊行当初から注目を集めた一冊ではあったが、折からの新型感染症 COVID-19 の蔓延のため、出版プロモーションはオンラインで行われ、9月、10月に計3回のセミナーが催された。
本研究者はこうしたイベントを通じて得られた情報や、作者本人から得た情報を元に、2021年3月27日に開かれたアジア系アメリカ文学会の第142回例会(オンラインにより実施)において、Family in Six Tones に関する報告を行った(「難民母娘の自伝的語り—Lan Cao & Harlan Margaret Van Cao, Family in Six Tones を読む」)。
また、Family in Six Tones の日本での出版を目指し、現在翻訳作業に取り組んでいる。