我々は日常的に他者とコミュニケーションをとりながら生活している。中でも他者の顔や身体を適切に認知・識別する能力は，他者の性別や年齢，意図や情動などの情報を読み取るための基盤となる重要なものである。しかし，げっ歯類では匂いを中心としたものと考えられてきたため，げっ歯類における視覚的要因やそのメカニズムについてはほとんどわかっていない。本研究では，平原ハタネズミの視覚的な他個体認知能力の評価と脳機能の解析を行うことを目的として，タッチスクリーン型オペラント箱を用いて2視覚弁別課題を行なった。その結果，平原ハタネズミが同種他個体個体を弁別できる可能性が示唆された。