表題番号:2020C-359 日付:2020/12/27
研究課題近現代都市における貧困の重層化プロセスと低所得層対策に関する国際比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 武田 尚子
研究成果概要

 ヨーク市を調査対象地とし、歴史社会学的視点からヨーク市の近代貧困地域に着目し、貧困地区改善のプロセスについて分析・考察した。スラム地区改善は、マクロレベルの住宅政策の確立と地形的要因による不良条件の克服が連関して進捗していった。
 不良条件には、地形的・空間的要因なども関わっていたと考えられ、そのような不良条件は時間が推移したからといって解消するわけではない。現代に中心地区の再開発は進んだが、隣接した「条件不良地区」は取り残され、不良条件が累積する。近代から現代にかけて、不良要因の解消プロセスを分析することは、現代の都市空間構造の特徴について理解を深めることに資する。