表題番号:2020C-349 日付:2022/03/08
研究課題心的内容についての外在主義を用いたカント批判期認識論の再解釈
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 千葉 清史
研究成果概要
本研究は、イマヌエル・カント『純粋理性批判』における「超越論的観念論」を、いわゆる「心的内容についての外在主義」として解釈しようとする最近の試みを検討し、さらに、この解釈路線を展開することを通じて、外在主義をめぐる今日の議論において提起されている認識論的問題のカント的解決の可能性を模索することを目指した。しかしながら、R. Stern, K. Westphal, L. Allaisらによる、こうした路線での外在主義的解釈を検討した結果、そうした試みがうまくいきそうにない、という否定的結論が得られた。それらが共通に持つ難点として、カントのデカルト的懐疑に対する批判を十分に説明できない、ということが挙げられる。