表題番号:2020C-345 日付:2020/10/20
研究課題マーケット・プレッシャーの推定:為替レート市場を事例として
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 北村 能寛
研究成果概要
日本、中国の為替市場における市場圧力に対して、双方の通貨当局の為替介入がいかになされたかを研究した。とりわけ、日々の為替レートの変動許容範囲を明示的に設定する中国の為替市場において、ランダムウォーク理論を応用することで、人民元為替レートが変動幅の上限、下限に到達する確率を計測した。そして、それを為替市場の市場圧力と解釈し、従来の市場圧力変数と比較した。その結果、本研究で提案した変数は、従来の市場圧力変数と正の相関関係を示すことが判明した。強調すべき点は、本研究の市場圧力変数には、理論的根拠が背景にありそこから導出されたものである。これは、従来のアドホックな市場圧力変数と比べ強調すべき点である。