表題番号:2020C-338 日付:2022/04/02
研究課題18世紀フランスのカリブ海植民地における沿岸貿易に関する調査研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 准教授 君塚 弘恭
研究成果概要
 本研究課題は、18世紀フランスのカリブ海植民地における沿岸貿易の実態について調査することを目的として実施された。申請者は、フランス国立公文書館に所蔵されている植民地関係文書を収集して読み解き、その結果次のようなことが明らかとなった。18世紀初頭において、フランス本国で用いられる「沿岸貿易 cabotage」という文言は植民地においては一般的ではなく、18世紀後半になって定着した。マルティニーク島やグアドループ島、フランス領サン=ドマングでは、島々をつなぐ交易が活発に行われたが、それは、本国との遠隔地貿易のリズムと連動した。18世紀末になると、カリブ海諸島の交易相手として、アメリカ合衆国の重要性が大きくなった。