表題番号:2020C-333 日付:2020/11/14
研究課題中国建国初期のプロパガンダへの民衆側の受容に関する個人史的歴史考察
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 准教授 鄭 成
研究成果概要
 本課題の研究成果は、「建国初期における青年知識人の社会主義への思想転向」にまとめて、『アジア太平洋討究』40号に発表した。同論文は、1950年代初期の中国において、政府主導の思想改造が進行する中、青年知識人の思想がいかにして転向し得たかを考察する。具体的には、上海の大学に在学する青年Sを事例に、まずは大学における思想改造工作の素描を通じ、青年知識人を取り巻く政治環境を把握した上で、知的活動と周囲の出来事という2つの側面から、社会主義イデオロギーの受け入れにあたって、青年Sの内的世界がどのように変化していったかを追う。なお、政治環境、知的活動、周囲の出来事に着目するのは、それらが青年Sの思想転向を左右した要素として規定されるためである。