表題番号:2020C-283 日付:2021/05/05
研究課題フッ素により活性化された面不斉相間移動触媒の創製と機能評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 鹿又 宣弘
研究成果概要
我々はこれまでに,様々な面不斉ピリジノファン相間移動触媒について研究を行ってきた.今回,ピリジノファン上に4-フルオロフェニル基,および3,5-ジフルオロフェニル基を導入した触媒(S,S)-2,3を合成し,これらの不斉誘起能を検証する目的で研究を行った.
触媒 (S,S)-2,3 をそれぞれ 1 mol% 存在下,グリシン誘導体の不斉ベンジル化を行ったところ, 前者は75% eeで,また後者は95% eeで(S)-フェニルアラニン誘導体を与えた.これらの結果から,(S,S)-3が極めて高い不斉誘起能を有する触媒であること,フッ素の導入位置が高い不斉誘起能を有する触媒設計において極めて重要であることを明らかとした.