表題番号:2020C-278 日付:2021/04/08
研究課題グラフェンのディラック電子系における超伝導ギャップの直接観測
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 准教授 高山 あかり
研究成果概要
本研究において超伝導ギャップ測定を行う予定であった実験施設への立ち入りが制限されたため、本実験予定を変更し、ディラック電子系の一種であるディラックノーダルライン型電子状態を持ち、かつ超伝導発現が理論的に示唆されている単原子層Cu2Siの電子状態および超伝導発現の有無について研究を行った。極低温・磁場下での電気伝導測定および解析の結果、弱半局在効果を観測した。一方、理論の予測とは異なり超伝導は発現しなかったが、このことはSi基板の効果による歪みが超伝導発現を阻害した可能性を示唆している。さらに、電子状態測定実験と比較した結果、この弱半局在効果はディラック電子系由来のものであると考えられる。