表題番号:2020C-267 日付:2021/02/04
研究課題最小化問題における古典経路の一意性
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 小澤 徹
研究成果概要
ラグランジュ力学における古典経路の存在は、解析力学の数学的基礎付けの最も重要な課題であり、ファインマン経路積分の定式化の基礎を成すことから、量子力学においても重要な課題である。変分解析の研究の進展によって「直接法」の方法論はラグランジュ力学の強固な基礎を形成するに至っているが、明らかにしているのは古典経路の存在のみであり、一意性は殆ど未解決である。そこで、本研究では一意性について研究した。鍵となる不等式としてポワンカレ型の新しい不等式を見出し、証明を与えた。その最良定数と最良定数を与える函数を特徴付けた。一意性を保障する時間幅(初期時刻と終期時刻の差)をその最良定数を用いて記述した。更に、その時間幅が最良である事を周期解を用いて具体的に示した。