表題番号:2020C-257 日付:2020/07/08
研究課題ヘテロ芳香環開環型フッ素化反応の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 山口 潤一郎
研究成果概要

本研究は創薬を志向した斬新な不斉フッ素化反応を開発することを目的とした。ヘテロ原子―ヘテロ 原子結合(S‒N, O‒N, N‒N結合)を含むヘテロ芳香環を求核剤、フッ素化剤を求電子剤として 環変換反応によりヘテロ芳香環を「破壊」し新たな骨格へと転成させる。得られる生成物は、 (ヘテロ芳香環)―4級不斉炭素―極性官能基をすべて含む医薬品候補化合物頻出骨格である。 本特定課題において、あるヘテロ環に求電子的なフッ素化剤として知 られるsectfluor® をアセトニトリル中作用させると開環反応が進行し、フッ素化合物が得られることを見出した。様々な置換基を有する化合物にも適用可能であり、これまで基質が限られていたフッ素化反応に新手法という一石を投じることができた。