表題番号:2020C-250 日付:2022/03/28
研究課題失われた古代文字による少数言語の辞書の開拓とその社会的な意義
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 片田 房
研究成果概要

本研究では、フィリピン共和国のミンダナオ群島に位置するダバオ・デル・スル州に焦点を当て、児童生徒の母語(土地生来の民族の言語)と初等教育で使用されている教育言語の観点から、当地の多言語事情に実態を整理し、更に、教育言語と児童生徒の自己効能の観点から、学習力の持続的発達にまつわる問題点を整理した。当地民族語のひとつ タガカウロ語(Tagakaulo)で語られる民話を基に形態素分析を行い、既に失われている当地の古代文字(Baybayin)を使って原始辞書の試作品を作成し、その教育的・社会的影響を整理した。本研究は、リテラシーに偏重する学校教育現場に対し、オラリティ文化の価値の再興を究極の目的とする研究へのパイロット的役割を果たした。