表題番号:2020C-220 日付:2021/05/26
研究課題カンボジア・シェムリアップにおける大気中マイクロプラスチックの実態解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 大河内 博
研究成果概要
 2020年は新型コロナウィルス感染拡大に伴う渡航制限のために,カンボジアに行くことができなかったが,2019年までに採取した大気試料の分析をすすめるとともに,解析をすすめた.
 2019年4月に採取した大気中マイクロプラスチックのμFTIR分析で同定行ったところ,新宿とは異なり3 - 7 µmと1 µmの二山分布を示すが,熱帯性スコール豪雨後にも二山分布を示すことが明らかになった.空気動力学径1 µmは肺胞まで侵入する粒径であり,健康リスクが懸念される.なお,大気中個数濃度は豪雨後に1/5に減少したが,新宿における大気中個数濃度よりも高かった.
 カンボジアでPM2.5濃度が高いのは,プラスチックごみの不適切管理とともに,高温高湿度と強い紫外線による気候の影響と考えられた.
 東南アジアにおける大気中マイクロプラスチックの空気動力学径を解明したのは,本研究が世界で初めてである.研究成果は2021年の日本環境化学討論会で発表する.