表題番号:2020C-201 日付:2021/04/06
研究課題発展方程式の最大正則性定理
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 小薗 英雄
研究成果概要
Navier-Stoes 方程式の強解の存在のための初期値に関する斉次Besov 空間による特徴づけ
Navier-Stokes 方程式の古典解あるいは強解としてよく知られているSerrin クラスを,
空間方向に斉次Besov 空間,時間方向にLorentz 空間なる関数空間を導入した.
まず,初期値aに対してする線形Stokes 流上記の関数空間に属するための必要十分条件を明らかにした.
次に非線形のNavier-Stokes 方程式に関しては,
a がこの斉次Besov 空間で小さければ,Stokes 方程式から導かれる関数空間解u が一意的に存在することを示した.逆については,解の小ささを仮定することなく,成立することを証明した.
これらはすべてNavier-Stokes 方程式に関するスケール不変な関数空間となっている.
特に,初期値が属する斉次Besov 空間の3番目の指数q(数列級数の空間 スモールlq に相当) は,
解の時間方向のLorentz 空間の第2 指数に反映されることが明らかにされた.
更に,このような強解u(x; t) は,空間変数xに関して解析的であり,
その収束半径はx に関して一様にtの平方根 に比例して取れることを証明した.
証明の手法は,解の時間方向の高階の偏導関数u(x, t) をLr-値の関数として
t に関するヘルダー評価式を導出することに依る.