表題番号:2020C-193 日付:2021/05/26
研究課題エラストマー分散強化CFRTPの 衝撃エネルギー吸収メカニズムの解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 川田 宏之
研究成果概要
 近年CO₂排出量規制化を背景として自動車の車体軽量化が求められており,優れた比強度・比剛性を有する炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)の衝撃吸収部材への適用が期待されている.
 本研究では,エラストマー(EL)分散強化CFRTPのクロスプライ積層板に対して落錘衝撃試験を実施し,EL粒子の体積分率による衝撃特性及び破壊形態への影響の調査を行った.衝撃試験の結果よりEL粒子の体積分率を増やすことにより衝撃吸収エネルギー及び初期損傷荷重の向上が確認された.さらに破断面観察の結果よりEL粒子を加えることで面外方向の塑性変形の拡大及び層間剥離領域の減少が確認された.以上,EL分散強化CFRTPは母材樹脂の高靭性化及び面外方向の塑性変形によるエネルギー吸収が衝撃特性向上に寄与していることが確かめられた.