表題番号:2020C-160 日付:2022/04/03
研究課題フランス三大都市圏における都市公共交通整備と都市化―住民組織の役割の比較研究―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 准教授 國府 久郎
研究成果概要
 フランスでは街区を基盤として活動する任意の住民組織である街区委員会が存在する。街区委員会の起源に関しては、都市問題が激化した1960年~70年代に結成されたとフランスでは一般的には考えられている。日本の法社会学や社会学研究では、中都市のグルノーブル、アミアン、ニーム市の住民組織が出現したのは1920年代とされ、新興住宅地での道路、街灯、ガス管の整備、排水対策を要望するために住民が結集したのが組織化の発端であるされている。本研究においてはリヨンでの研究を参照にして、マルセイユでは郊外への都市化が進行し始めた1890年代に、街区委員会が集会を開催したのを確認した。街区委員会が形成された歴史的起源を正確に調査しなければ、住民組織の「地域代表性」をめぐる問題は解決が難しい。