表題番号:2020C-158 日付:2022/04/04
研究課題英国における成人移民および成人外国人材への言語政策の調査
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 森田 彰
研究成果概要
本研究は、政府の「未来投資戦略2018」での「一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築」の一環としての日本語教育の在り方、その支援についての方策を探る研究の一部である。研究の動機は、新しいカテゴリーの外国人材を受け入れた場合、これまで比べ日本語への依存率度が高くなり、日本語能力の向上に資する成人への日本語教育、学習支援が求められであろうこと、加えて、従来の研究は、就労者の家族、特に子供が研究の対象になっていて、成人に関するものは、置き去りにされていることを感じたことである。そこで、本研究では、求められる日本語能力と渡日前後の日本語教育について、同じように職場や生活で広範な英語使用を求められる英国の言語政策、特に成人の移民、在留者に対するそれの調査を行った。主な分析の対象は、英国内務省、教育庁の web 公開文書である。残念なことに、英国においても、労働・教育の連携は十分であるとは言えず、教育とその支援に関しては、まだまだ個人の努力に頼ることになる。その理由は、英語の世界的優位性など諸事考えられるが、今後の研究対象としたい。前半の英語能力の到達度に関する知見については、日本英語表現学会第27回研究会で発表したほか、Aspects of British Culture: Academic Approaches (金星堂)の作成・出版にも活用した。今後は、研究の範囲を民間の支援、教育システムの中での支援活動など、文書以外の情報も収集・分析したい。